LAAC / 左心耳閉鎖術
心房細動がおこると、心臓が血液を正常に送り出さないため、心臓の左心耳(LAA)と呼ばれる部分に血栓が形成されます。その血栓が剥がれて脳卒中が起こることがあります。LAACはこの心房細動による血栓の形成に起因する「左心耳」を閉鎖し、脳卒中を予防する治療であり、長期間の抗凝固薬の服用ができない方に対して、1回限りの手技で心房細動による脳卒中を予防するという新しい治療の選択肢となります。
心房細動は通常電気信号を発しない場所からの電気信号により心房が小刻みに震えます。高齢者に多く、高齢化に伴い心房細動患者数は増加しています。心房細動で気をつけるべきことは、脳梗塞です。心房が小刻みに震えることで血栓ができやすくなり、できた血栓が脳の血管を閉塞させる病気です。梗塞範囲が広いため症状が強く現れ、また死亡や重篤な後遺症など予後も不良です。
- 主な症状
- 動悸や息苦しさ
- 薬剤(リズムコントロール・レートコントロール)
- アブレーション
- 薬剤(ワルファリン・新規抗凝固薬)
- 手技的介入(外科的治療・経皮的左心耳閉鎖術)
左心耳閉鎖デバイスとは治療にはWATCHMAN左心耳閉鎖システムを使用します。X線透視、経食道心臓超音波装置を用いて、左心耳を計測し、WATCHMANのサイズを選択します。WATCHMANは大腿静脈より心房中隔を経由し左心耳に留置されます。
本治療は CHADS2スコアまたは CHA2DS2-VASc スコアに基づく脳卒中および全身性塞栓症のリスクが高く、長期的に抗凝固療法が推奨される非弁膜症性心房細動患者さまに考慮されべきであり、長期的抗凝固療法の代替として検討される治療法です。
この治療は、一般的に右記の患者さまが対象になります。
適応
- CHADS2スコアまたは CHA2DS2-VASc スコアに基づく脳卒中および全身性塞栓症のリスクが高く、抗凝固療法が推奨される患者さま
- 短期的にワーファリン投与が適応可能と判断されている方
- 出血リスクが高いなど抗凝固療法を長期間実施できない妥当な理由がある方
術前の経食道心臓超音波検査(心エコー)にて左心耳径、血栓の確認をします。X線透視下に左心耳造影行い、左心耳閉鎖デバイスの留置位置の確認を行います。留置後心エコーにてデバイスサイズが適切かどうか確認します。その後、再度X線透視下にて造影を行い、適切な位置に留置されたか確認します。