あなたの家庭は大丈夫?備えあれば憂いなし。備えておきたい災害食!
新年度になりました。4月は何かと移動の多い季節です。この4月から自分や家族の誰かが就職や転職、入学や卒業などで環境が変わったり、それをきかっけに何かを新調したり入れ替え、取り換えなどした方もみえるのではないでしょうか。
そのような場合に忘れていけない災害対策や備蓄品の存在。引っ越しなどで家具や日用品を揃えるのと同じくらい災害時の備えも大切です。
そこで今回は衣食住の“食”にフォーカスし災害時の備蓄食品についてお話します。
災害対策というとどんなことを思い浮かべますか?日本は世界的にも地震が多い国と知られ、実際に1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震など過去には大きな地震災害が発生しています。
大規模災害で困ることとして第一位にあがるのが「電気(スマホ含む)・ガスが使えないこと」、第二位は「情報が届かないこと」。そして第三位に「食料品が不足すること」といわれます。そしてほとんどの人が災害対策は必要だと思っているにも関わわらず、実際に災害対策として備蓄食品を確保している人は少ないのが現状です。
災害時に物流機能が停止した場合、食品の調達は困難になります。また、電気・ガス・水道などのライフラインが絶たれると思うように調理もできなくなります。しかし、災害時にこそバランスのとれた食事は必要で、心も体も健康を保たなくてはいけません。
いつかに備えるということは、つい先延ばしにしてしまいがちですが、そのいつかは突然やってきます。図1に家庭備蓄の例を示しました1)。これらを参考にして家に備蓄食品がないという方は今から備蓄食品を揃えていきましょう。
図1 農林水産省 災害時に備えた食品ストックガイド「家庭備蓄の例」
ローリングストックという言葉をご存じでしょうか。備蓄食品を日常の一部ととらえ、普段から少し多めに食品を買い置きするというのがローリングストックの考え方です。図2にその内容を示しています。ローリングストックは生活の中で常に何かしらの食品を備蓄しながら、毎日消費していくことの繰り返しとなります。
一般的に備蓄食品は家族の人数×3日分が目安とされますので、それを目安に少し多めにストックしておくと良いでしょう。
図2 農林水産省 災害時に備えた食品ストックガイド「簡単!ローリングストック」
災害時とはいえ栄養のバランスを考えるのは大事です。しかし実際は災害時には何かと炭水化物に偏った食事になりやすく、たんぱく質やビタミン類が不足しがちになります。
肉、魚、豆などの缶詰やレトルト食品、充填包装やフリーズドライのインスタント食品などを活用することでたんぱく質が補えます。乾燥野菜やドライフルーツ、ナッツ類、野菜ジュースなどからビタミンやミネラルを補うこともできます。主食ではレトルトパックのご飯や乾パンも活躍しますので、自宅の乾物と合わせて賞味期限を確認しながら在庫を持つのがおすすめです。
そして何といっても必需品なのが水!水の確保は命をつなぎとめるといっても過言ではありません。一般的に災害時に必要な水は飲料用と調理用を合わせて1人1日3リットルだといわれます。ここでもローリングストックを応用し、ペットボトルやウォーターサーバーの水を常備しながら日常で消費した分を補う習慣をつけ、水を十分に確保しましょう。また、飲料用なら水だけではなくお茶やジュースでも代用ができるので、これらもストックしておくと良いと思います。
農林水産省 災害時に備えた食品ストックガイド「命をつなぎ止める水」
水と食料の確保ができたら忘れてはいけない熱源。災害時は電気やガスが止まり、調理ができないなんてことも想定内です。
缶詰やレトルト食品など、一部はそのまま食べられるものもありますが、湯を入れて作るかカップ麺や粥のようなものは熱源がないと作れません。そこで活躍するのがカセットコンロ。カセットコンロは卓上型なのである程度、場所を選ばず使うことができます。熱源を確保するためにはこのカセットコンロ、ガスボンベの予備、湯を沸かしたり調理するためのやかんや鍋はセットで常備するのがポイントです。
災害といっても地震の他、その二次災害で津波や火山が起こったり、大雨や台風による土砂崩れ、冬になれば雪害や雪崩も起こります2)。このように我々の生活の中で災害はいつもとなり合わせ。
非常食としての備蓄と、備える→食べる→買い足す。といった日常食としての備蓄で、少しでも安心な生活を築いていきたいものです。