Vol.06:“座っていること”がアナタを殺す(sitting is killing you)
- 1日に6時間座っていると死のリスクが40%増大する
1日に6時間座る生活を続けていると、たとえ日常的に運動をしていたとしても1日に3時間しか座らない生活の人に比べて15年以内に死ぬ確率が40%増えるとのこと。リスクを回避する方法はただ一つ、「座る時間を減らすこと」とのこと。
- 太っている人はやせている人に比べ1日に2時間半長く座っている
座っているときはほとんどエネルギーを消費せず、必然的に肥満になりやすくなります。
- デスクワーク中心の人は立ち仕事中心の人に比べて心血管リスクが2倍
- リパーゼによる脂肪燃焼率が90%低下
- 座ってから2時間が経過するとHDLが20%減少
- 24時間後ではインスリンの効果が24%減少し糖尿病のリスクが上昇
- 1日に3時間以上座ってテレビを見ている人は、そうでない人と比べて心血管リスクが64%増加
- 長時間座ってテレビを見る時間が1時間伸びるごとに死亡率が11%増大
いかがですか?身につまされる、という人もいるかと思います。
では、なぜ座っていることが体に悪いのか?そのメカニズムは、次の“もっと知りたい方へ”で解説します。
もっと知りたい方へ
人体は、実に効率よくできています。エネルギーも栄養も使う部分には多く配分し、使わない部分には配分しなくなります。その結果、たとえば自転車競技の選手は脚力が強くなり、ロッククライマーは腕の筋力が発達します。同様に「座っていることが仕事」みたいな人には、そのように体が適応してしまいます。実際には、体にどんなことが起こっているのでしょうか。
- 使わない部分の筋肉量が減ってしまう
使わない筋肉には栄養を配分することは“無駄”と判断され、その部分の筋肉委縮し、弱くなります。筋肉の量が減ると、残された筋肉の組織だけで運動しなければならず、疲労しやすくなるため、さらに運動量(パフォーマンス)が減ってしまいます(人手不足の職場によくみられる現象に似ていますね)。
- 腰や太ももの筋肉が短縮する
筋肉は、“いつもの姿勢”や“いつもの動き”を取りやすいよう準備しています。下図を見てください。いつも座っている人は、座っている形に腰やおしりの筋肉が形成されます。その結果、体幹を支えたり歩いたりするための“腸腰筋”や“大腿四頭筋群”が短縮してしまい、立った時にも伸びにくくなります。こうして、スムーズな立ち上がりや歩行ができなくなります。
- 筋膜の硬直
筋肉の表面は、“筋膜”というコラーゲンなどでできた膜で覆われています。筋肉が動くたびに、筋膜の組織は新しいものに再生されますが、筋肉を動かさないでいると、筋膜が硬くなり、体を柔軟に動かすことができなくなります。
いかがでしょうか。少々むずかしい内容ですが、大切なのは、「その人の体は、その人の生活モードに合わせて “仕様”が決まる」ということ。よく運動する人は、“運動習慣仕様”に、座りっぱなしでいる人は、“座りっぱなし仕様”になります。
だとすれば・・・もうお分かりですね。「私は動きたい時に動く生活をしている」と、体に覚えこませておけばいいのです。
- *1
“Office Ergonomics: Why Sitting Will Kill You”
(http://www.magicalrobot.org/BeingHuman/2011/03/office-ergonomics-why-sitting-will-kill-you)