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診療科・部門
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理学療法士

特徴
再発予防、予後の延長、QOL の向上
患者さま一人一人に合わせたプログラムを提供

当院の理学療法士は、運動療法を主とする医療専門職として心臓リハビリテーションの一端を担っています。心臓リハビリテーションとは「医学的な評価」「運動処方」「冠危険因子の是正」「教育およびカウンセリング」によって構成されている、長期的かつ包括的プログラムのことです。「患者さまの心疾患に基づく身体的・精神的影響の軽減」、「突然死や再梗塞のリスクの是正」、「症状を調整しながら、動脈硬化の過程を抑制、あるいは逆転させること」、「心理社会的ならびに職業的状況の改善」を目的としています。当院には、医師1名、理学療法士5名、看護師2名、管理栄養士1名等からなる専門チームがあり、身体機能評価や検査結果をもとに、各職種がそれぞれの視点から患者さま一人一人に合わせた具体的な方法を提案しています。我々は心臓リハビリテーションが、専門職それぞれの領域で役割と責任を果たすことによって成り立つものと考えています。

心臓リハビリテーション開始後は、定期的に効果判定を行い、状況に応じてプログラムの修正を繰り返し、患者さまの行動変容のお手伝いをしています。また、死亡率の低下や再発入院の防止といった良い効果は、退院後も継続して行うことによって得られることから、外来心臓リハビリテーションヘの参加も積極的に促しています。

リハビリテーションとは?

「リハビリテーション=機能回復訓練」と捉えてしまいますが、本来はとても広い意味があります。「リハビリテーション(Rehabilitation)」とは、ラテン語のRe(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)から成り立っています。つまり、リハビリテーションは単なる機能回復ではなく、「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きる」が重要で、そのために行われるすべての活動の事を、リハビリテーションと言います。今までのリハビリテーションは、病気、怪我及び老化現象などさまざまな原因によって生じた心身の障害に対して、その障害が元の状態に戻るように訓練することだと考えられがちでしたが、現在では障害を治すだけでなく、障害を持った人が障害を持ったままでも、よりよい人生を送ることができる様に、支援を行うことが重要とされています。「リハビリテーション」は、今までの生活の中で、「できなくなってしまったこと」や「こんなことがしたい」という希望に対して、能力を最大限に引き出し、1人ひとりの人生にあった生活能力を獲得し、豊かな人生を送るようになることが大切なのです。

基本方針
  • EBMに基づいて介入する運動療法
  • 急性期~回復期まで継続した介入
  • シームレスに繋がるチーム医療
業務内容

ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。治療や支援の内容については、理学療法士が対象者ひとりひとりについて医学的・社会的視点から身体能力や生活環境等を十分に評価し、それぞれの目標に向けて適切なプログラムを作成します。

メッセージ

Message

理学療法の直接的な目的は運動機能の回復にありますが、日常生活動作(ADL)の改善を図り、最終的にはQOL(生活の質)の向上をめざします。病気、けが、高齢など何らかの原因で寝返る、起き上がる、座る、立ち上がる、歩くなどの動作が不自由になると、ひとりでトイレに行けなくなる、着替えができなくなる、食事が摂れなくなる、外出ができなくなるなどの不便が生じます。誰しもこれらの動作をひとの手を借りず、行いたいと思うことは自然なことであり、日常生活動作の改善はQOL向上の大切な要素になります。理学療法では病気、障害があっても住み慣れた街で、自分らしく暮らしたいというひとりひとりの思いを大切にします。